2025年(令和7年)4月1日から、「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令」が施行されることなどに伴い、特定技能制度の運用が一部変更されました。
「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令」は、特定技能制度における各種届出の届出項目や届出頻度の変更になります。
今回の変更は多岐にわたり、複雑です。そのため、本ブログでは、できる限りわかりやすく変更点をピックアップしてご紹介しています。詳細は参照先をご覧ください。
特定技能制度とは、人材確保が困難な産業分野において、即戦力となる外国人を受け入れることを目的とする制度です。
手数料の改定
在留手続(在留資格の変更や在留期間の更新)等に関する手数料の改定がありました。(詳細はこちらをご参照ください。在留手続等に関する手数料の改定)
「随時届出」の改定における注意点・変更点
受入れ困難に係る届出(参考様式第3-4号)
受入れ困難に係る届出書のフォーマットが変更されました。
受入れ困難に係る届出書の主な変更点
- 在留資格の許可を受けた日から1か月経過しても就労を開始していない場合や、雇用後に1か月活動ができない事情が生じた場合も届出の対象となります。
- 1か月間活動ができない事情が生じた場合や行方不明者発生などの際に添付する参考様式を新規に作成しました。
- 自己都合退職の申出があった場合について、受入れ困難の事由の対象外とします(雇用契約が終了した場合には、引き続き「雇用契約終了に係る届出」は必要)。
基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号)
「特定技能雇用契約」および「一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」の基準不適合に係る届出書のフォーマットが変更されました。
届出の対象が変更
【変更前】
「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為があった場合」
【変更後】
「特定技能基準省令第2条第1項各号及び同条第2項各号に適合しない場合」
想定される届出事由は、主に下記となる。
- 税金や社会保険料等の滞納が発生したとき(第2条第1項第1号不適合)
- 特定技能外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者(日本人及び他の在留資格で就労している外国人を含む。)に関し、非自発的離職を発生させたとき(第2条第1項第2号不適合)
- 関係法律による刑罰を受けたとき(第2条第1項第4号不適合)
- 実習認定の取消しを受けたとき(第2条第1項第4号不適合)
- 出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったとき(第2条第1項第4号不適合)
- 外国人に対する暴行行為、脅迫行為又は監禁行為が発生したとき(第2条第第4号不適合)
- 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為が発生したとき(第2条第1項第4号不適合) などが想定されます。
【新設】1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出(参考様式第3-7号)
特定技能所属機関による自社支援の場合において、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援について実施困難となる事由が生じた場合に届出が必要となります。
【新設】1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告(参考様式第4-3号)
登録支援機関が支援の全部委託を受けている場合において、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援について実施困難となる事由が生じた場合に報告が必要となります(支援において特定技能所属機関の基準不適合を把握した場合を含む)。
「定期届出」の改定における注意点・変更点
受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(参考様式第3-6号)【提出頻度】
主な変更点
- 届出の提出頻度が四半期ごとから1年に1回に変更されました。
- 「受入れ・活動状況に係る届出書」と「支援実施状況に係る届出書」を一体化し、「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」に変更され、届出事項や届出時に提出いただく書類が変更されました。
在留諸申請時の提出書類
在留諸申請における提出書類及び提出書類の省略に関するルールが変更されました。必要書類も変更されています、詳細は在留諸申請時の提出書類をご覧ください。
在留諸申請時の提出書類
①申請書
在留資格認定証明書交付申請書、在留資格変更許可申請書、在留期間更新許可申請書の申請書類が新しくなりました。
項番(32)は「特定技能雇用契約の当事者である外国人に関し,地方公共団体からの共生社会関係施策に対する協力要請に対し,必要な協力をすることとしていることの有無」
②初めて特定技能外国人を受け入れる場合
外国人本人に関する書類(技能水準の立証資料等)に加え、受入れ機関としての適格性に関する書類が提出書類となります。
※従前の書類省略のルールと異なり、オンライン申請と電子届出を行うことが書類省略の必須要件となります。
③特定技能外国人を受け入れている機関
外国人本人に関する書類のみが提出書類となります。
④令和7年4月1日以降の提出書類一覧表について
こちらをご参照ください。
定期届出の提出書類
特定技能外国人を受け入れている場合は、1年に1回提出する定期届出において機関の適格性を確認します。
特定技能所属機関に関する基準等の改定
1.特定技能所属機関に関する不正行為、2.地域における共生社会の実現のために寄与する責務に関することの一部追加がありました。(参照:第5章 第2節 特定技能所属機関に関する基準等)
1号特定技能外国人支援計画の基準の改定
特定技能基準省令の改正に伴い、1号特定技能外国人支援計画の要件として、地方公共団体が実施する共生社会の実現のための施策を踏まえたものであることが加わりました。(参照:第5章 第3節 1号特定技能外国人支援計画の基準)
登録拒否事由の改定
登録支援機関に関する不正行為として、類型が追加されました。(参照:第9章 第1節 第3 登録拒否事由)
参考様式の変更
- 従前の様式を廃止し、新たな様式に変更するもの
参考様式第3-5号(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出)
参考様式第3-6号(受入れ・活動・支援実施状況に係る届出)
参考様式第3-7号(1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出)
参考様式第4-3号(1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告) - 従前の様式の内容に変更を加えるもの
参考様式第1-5号(特定技能雇用契約書)
参考様式第1-17号(1号特定技能外国人支援計画書)
参考様式第3-1-2号(特定技能雇用契約の終了又は締結に係る届出書)
参考様式第3-3-1号(支援委託契約の変更に係る届出書)
参考様式第3-3-2号(支援委託契約の終了又は締結に係る届出書)
参考様式第3-4号(受入れ困難に係る届出書)
参考様式第5-5号(定期面談報告書(1号特定技能外国人用))
参考様式第5-6号(定期面談報告書(監督者用) - 新規様式として作成するもの
参考様式第5-14号(1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書)
参考様式第5-15号(行方不明が判明した際の状況説明書)
参考様式第5-16号(基準適合性に係る誓約書・特定産業分野に係る説明書)
参考様式第5-17号(基準適合性及び特定産業分野に係る説明書)
参考様式第5-18号(基準不適合に係る説明書(特定技能所属機関作成用))
参考様式第5-19号(基準不適合に係る説明書(登録支援機関作成用)) - 廃止となる様式
参考様式第1-9号(徴収費用の説明書)
参考様式第1-30号(出入国在留管理庁電子届出システムに関する誓約書)
外国人支援の変更
- 1号特定技能外国人支援計画の基準等
1号特定技能外国人支援計画の要件として、地方公共団体が実施する共生社会の実現のための施策を踏まえたものであることが加わります。 - 出入国する際の送迎について
特定技能所属機関から委託を受けた登録支援機関が、車両を利用して送迎する場合には、「生活支援サービスなどとの一体運送」であれば、違反には当たらないことを説明する内容を追加するもの。 - 定期的な面談について
一定のルール内においてオンライン面談を実施可能になります。
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