知らないと怖い!日本における外国人雇用の刑罰

外国人雇用の刑罰

 

今回は、外国人雇用についてあまり知識が無く、外国人の身元が分からないまま雇い入れたり、悪徳業者に騙されてしまったりした場合、どんなリスクがあるのかを紹介します。採用時の確認ポイントや届出義務を理解し、安心して外国人人材を受け入れるための知識が手に入れてください。

知らないと怖い、日本における外国人雇用の刑罰についてまとめます。

この記事で分かること
  • 外国人を採用する際に注意するポイント
  • 外国人雇用に関わる日本の法律や刑罰
目次

不法就労助長罪

日本に滞在する外国人は、入管法(出入国管理及び難民認定法)などの法律によって、日本での活動を制限されています。不法滞在・不法就労をしてしまった場合、罰せられるのは外国人本人です。

しかし、外国人の不法就労を斡旋したり助長した人も、罰則があるということを御存じでしょうか?

どんな場合に不法就労助長罪にあたる?

刑罰

罰則 3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科

外国人の雇用時に、当該外国人が不法就労者であることを知らなくても、在留カードの確認をしていない等の過失がある場合は処罰の対象となります。又、その行為者を罰するだけではなく、その法人、雇用主等に対しても罰金刑が科せられます。

不法滞在とは?

不法滞在には「入管法に違反して入国して滞在すること」と「合法的に入国した後に在留資格を失ったまま継続して滞在すること」の2種類があります。

不法滞在

  • 入管法に違反して入国して滞在すること
  • 合法的に入国した後に在留資格を失ったまま継続して滞在すること

令和7年1月1日現在、日本国内に約7万4,000人の不法残留者がおり、その多くが不法就労をしていると思われます。(法務省統計)

不法滞在者を雇用することは、不法就労助長罪にあたります!(知らなくても)

不法滞在でないかを確認する方法は、『在留カードを確認すること』です。短期滞在の場合は在留カードを持っていないので、パスポートを確認します。

就労不可とは?

就労不可とは、出入国在留管理庁から働く許可を受けずに働く場合のことです。働く許可が無い場合は、在留カードに「就労不可」と書かれています!

『留学生』『家族滞在』は資格外活動許可が必要

「留学生」や「家族滞在」の在留資格は「就労不可」ですが、資格外活動許可を申請することで、週28時間以内の就労が認められます。在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。

就労不可の外国人を雇用することは、不法就労助長罪にあたります!(知らなくても)

就労制限以外の仕事とは?

就労制限以外の仕事とは、働く事が認められている外国人がその在留資格で認められた範囲を超えて働く場合のことです。

就労制限があるかどうか」を確認する方法

  • 就労制限のない人は、在留カードに「就労制限なし」と書かれています。(定住者・永住者など)
  • 就労制限のある場合は、在留カードに「在留資格に基づく就労活動のみ可」と書かれています。

在留資格に基づく就労活動のみ可」と書かれている場合は、文字通り在留資格ごとの条件によって就労制限が変わります。

就労制限の例
  • 働ける場所(勤務先、所属など)の制限
  • 働ける業種や職種の制限
  • 働ける時間数の制限・・留学生のアルバイト週28時間など
  • 通算で働ける期間の制限・・特定技能1号は通算5年など

詳細は在留資格ごとに細かく決められていますが、おおまかにいうと、下の「在留資格一覧表」の『本邦において行うことができる活動』が就労の認められる範囲になります。

在留資格一覧表 | 出入国在留管理庁

外国人に就労制限を超えて働かせてしまうことは、不法就労助長罪にあたります!(罰則がなくても、行政処分などになる場合もある)

「行政処分」との違い

行政処分とは、行政機関が法律に基づいて個人や法人に対して権利を制限したり、権利を与えたり、義務を課したりする行為です。不法就労助長罪というと重い刑罰ですが、実際には雇用主が「知っていた」「知らなかった」「騙された」など状況は様々です。不法就労などの問題が起きたとき、警察と行政の両方から調査が入るので、刑罰にならなくても行政処分になる可能性もあります。このような事態を防ぐために、外国人雇用は正確に行うことが重要です。

実際に起きた例

派遣会社から不法滞在者を派遣されていた

派遣社員として外国人を受入れていたが、派遣元の外国人社員が不法滞在だったことを知らなかった。派遣元に警察の捜査が入り、不法滞在だった外国人が逮捕せれた。派遣先の自社も取り調べを受けることになった。

外国人を雇用する事業主の義務

雇用前の身分確認

外国人を雇用する際は、在留カード、旅券(パスポート)の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、 資格外活動許可の有無等を確認するなどして、雇用することができる外国人であるかを確認しなくてはいけません。

刑罰

【出入国管理及び難民認定法 第73条の2】

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科(風俗営業:100万円以下の罰金)

在留カードの確認の方法

外国人の採用前に、在留カードの有無と、就労制限の有無欄を確認してください。

在留カード
1.在留カードの有無を確認

在留カードのコピーでは内容を改ざんされるおそれがあるので、身分確認の時は必ず、実物の在留カードで確認してください。

2.就労制限の有無欄を確認
  • 就労制限なし  
  • 就労不可
  • 在留資格に基づく就労活動のみ可

外国人雇用状況の届出

全ての事業主は、外国人労働者(在留資格「外交」及び「公用」並びに「特別永住者」を除く。)の雇用又は離職の際に、その外国人の氏名、在留資格、在留期間等について厚生労働大臣(ハローワーク)への届出が義務付けられています。

雇用保険の申込の際に外国人雇用状況の届出も一緒にすることになっています。

刑罰

【労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条】

30万円以下の罰金

参考

外国人雇用の刑罰についての参照:外国人の適正雇用について 警視庁

まとめ

外国人を採用するときに注意するポイントとして、在留カードと就労制限の確認をすることについて述べました。少しでも不安や疑問があれば、専門家に相談し、適正に外国人雇用をすすめることが大切です。

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この記事を書いた人

外国人の人材紹介専門のガイア国際センター。外国人の就労関連ニュースや教育などに関する情報を発信します。

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